世界遺産について
世界の文化遺産や自然遺産を人類全体のための世界遺産として、損傷、破壊等の脅威から保護し保存していくために、国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的とした条約です。1972年にユネスコ総会で採択され、1975年に発効しました。
2012年は、世界遺産条約が採択されてから40周年にあたり、世界各国において記念行事が開催されます。日本においても、ユネスコ全体の世界遺産条約採択40周年を締めくくる行事として、11月6日から8日まで、京都において、40周年記念最終会合を開催します。
2012年3月現在189か国が加盟し、万里の長城(中国)、グランドキャニオン国立公園(米国)などが同条約に基づく「世界遺産一覧表」に記載されています。日本は1992年9月、125番目の加盟国として同条約を締結しました。 2012年は、日本が条約を締結して20周年にもあたります。
屋久島の世界自然遺産登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされました。
・ ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
・ 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
屋久島の全面積の約2割に相当する10,747haが自然遺産地域として登録されています。当該地域は、国立公園や森林生態系保護地域の一部のほか、原生自然環境保全地域と国指定の天然記念 物(屋久島スギ原始林)の全部が重複しており、海岸線近くの亜熱帯的な要素を含む照葉樹林帯から、 山岳部のスギ林帯、ヤクシマダケ草原帯までが含まれています。屋久島の世界遺産登録に当たっては、 登録当時、ユネスコ世界遺産センターのドロステ所長は、「自然遺産としての屋久島の価値は、多くの 人たちが暮らしていながら、すぐれた自然が残されていることにある。」と語っています。
屋久島の自然保護地域
また、林野庁、環境省、文化庁、鹿児島県及び屋久島町は、現状に即した計画とするとともに、新たな知見を踏まえた遺産地域の管理を進めるため、2012年10月1日「屋久島世界遺産地域管理計画」を策定しました。